Special Edition
苔香居コレクション
静かに、時間が積もる場所。
京都・桂の地にひっそりと佇む「苔香居（たいこうきょ）」。
江戸時代後期の数寄屋建築と、
幾年も手入れされてきた苔庭が美しく調和する、
文化庁登録文化財の邸宅です。平成13年までは実際に住まいとして使われており、
いまもなお静かな暮らしの気が宿ります。
庭には杉苔を中心に数十種の苔が広がり、
四季折々の草木や花がその時々の表情を見せてくれます。
その苔香居に、長く眠っていた着物たちが、
いま、新たなかたちで息を吹き返そうとしています。
古き美しさと、いまを結ぶものづくり。
まもなくお披露目です。
さらに、苔香居での特別な一日を体験いただけるツアーも開催予定です。現代の喧騒から離れ、まるで100年前の暮らしに身を置くような感覚で、空間と時間の流れを味わっていただけます。
詳しくはページ後半をご覧ください。
苔香居とともに、未来へつなぐものづくり
このプロジェクトは、「苔香居」に眠っていた着物地との出会いから始まりました。長い時を重ねた邸宅に寄り添うように生きてきた布たちに、もう一度光をあてたい——
その想いから、私たちは、苔香居とのコラボレーションによる特別なコレクションを制作しました。売上の一部（10%）は、苔香居の維持・保存のための寄付金として役立てられます。
美しい建築と庭、そこに流れる静かな時間を、これからも未来へ受け継いでいくために。本プロジェクトを通じて、纏うことが、文化をつなぐ一歩になりますように。
Tie
Sacoche
Meishikou
苔香居ツアー
「ひととき、そこに暮らす」
ただ訪れるのではなく、
そこに住まうように過ごす一日を。
京都・苔香居を舞台に、
着物に込められた時間を体感する特別なツアーを開催します。江戸後期の邸宅を丁寧に見学したあとは、
禅の教えに触れる静かなひとときから始まり、
みんなで食事をつくり、囲み、味わう時間へ。
そして最後は、苔香居に眠っていた着物から柄を選び、
香りをまとう名刺香ケースづくりを。
100年前、この場所で静かに暮らしていた人たちの時間に、そっと自分の時間を重ねるような体験を。
文化を“見に行く”のではなく、文化の中で、深く呼吸をするような一日をご用意しています。
日程：2025年6月7日（土）
場所：苔香居（京都市西京区山田上ノ町２６）
禅体験では、
姿勢を見つめ直すことからはじまり、
禅の思想にふれながら、
「集中」と「休止」のリズムを五感で感じていただきます。
元・南禅寺禅センターの禅僧である大角 康氏が担当してくださいます。
大角 康
1989年生まれ、京都府出身、元・禅僧
現在は哲学コミュニケーターとして、哲学の民主化・実学化・エンタメ化を目指し活動中
TED x KyotoUniversity 2025（5/18(日)）に登壇
世界哲学会議（WCP）2028東京大会実行委員
二十代当主・山口俊弘氏より
苔香居の着物は大正12年に嫁入りした先々代のおばあさまが主に誂えた物です。生活品として、外出着として、趣味として、帯と着物で約400着。一人の女性の嫁入りから一生を終えるまでの生活や文化がそこに残されてます。また、数多くの反物の着物地や誂えた時の端切れもあります。
今回ご縁で、これらの着物がもう一度華やぐ機会を得られたこと、日本文化の美しさを再発見していただけることに感謝いたします。
